私たちのバラ苗づくり
我が家は昔から一貫して、台木を生産し、主に「芽接ぎ苗」を生産しています。一部ノイバラの台木と相性の悪い品種は挿し木で、
また、冬の作業として少し切接ぎ苗を生産しています。
(生産が違法行為となる品種については正規の仕入苗をお届けしています。)
芽接ぎ苗の生産方法と、なぜに芽接ぎ苗にこだわるのか、お話ししたいと思います。
また、根頭癌腫病の出ない苗づくりを目指しての取り組みや
大変ご好評をいただいている「冬の特上苗と特大苗」。
私たちが本気で作る上質の大苗の生産現場も少しご紹介したいと思います。
春苗(新苗)
なぜ、切接ぎ苗や挿し木苗ではなく、芽接ぎ苗が成育が良いと考えているのか。50年以上の生産現場での経験上導き出した答えです。
芽接ぎに使う芽は秋の時点で適当と思われるものを選んでいます。切接ぎの場合は、冬の時点で選びます。
芽接ぎ、切接ぎとも春に芽吹く時期、そして花が咲く時期というのは同じです。
しかし、前年の秋より十分に充実させた芽接ぎの苗と、冬に接いだばかりの苗では、その後の成育が随分違います。
活着の深度が違うとも言えましょう。
成育が違う・・・例えば、四季咲き性のものでしたら、まず蕾の付き具合が違います。
新苗は摘蕾をするにしても、株としての成長が活発な証でしょう。
そのため、活力あふれた成熟した株に早く育ち、それは後々の花数、枝の伸張にも影響します。
芽接ぎの場合、1月に芽接ぎ部分を覆っていたテープを取り去ります。皆様のお手元に届く苗にはビニールテープは付いていません。
台木への芽の活着が深く進み、そのことにより、成長のための次の段階に進む準備が整っていると考えられています。
ただ、芽接ぎ苗の場合、春の時点では、活着部分がまだ若く、台木と芽は点で繋がっているだけですから、衝撃で外れてしまう事があります。春に伸びた柔らかい新芽が折れやすいのと同じです。
配送途中の事故を防ぐため、しっかりと梱包するように心掛けていますが、万が一外れた場合は、それは私どもの本意ではありませんので、どうか遠慮なくご連絡ください。
また、根頭癌腫病でがっかりとした経験をお持ちの方も、この下にご紹介の通りしっかりと対策をした私どもの苗で安心して育てていただきたいと思います。
’スタートダッシュ’の良い芽接ぎ苗。これからも、台木の育成からこだわって生産していきたいと思います。
※台木ご希望の依頼を時々いただきますが、毎年数が足りなく苦労しております。また、販売するとなると、それなりの扱いが必要となるため、そこまで手が回りません。申し訳ございませんが、販売はいたしませんこと、ご理解ください。
芽接ぎに使う芽は秋の時点で適当と思われるものを選んでいます。切接ぎの場合は、冬の時点で選びます。
芽接ぎ、切接ぎとも春に芽吹く時期、そして花が咲く時期というのは同じです。
しかし、前年の秋より十分に充実させた芽接ぎの苗と、冬に接いだばかりの苗では、その後の成育が随分違います。
活着の深度が違うとも言えましょう。
成育が違う・・・例えば、四季咲き性のものでしたら、まず蕾の付き具合が違います。
新苗は摘蕾をするにしても、株としての成長が活発な証でしょう。
そのため、活力あふれた成熟した株に早く育ち、それは後々の花数、枝の伸張にも影響します。
芽接ぎの場合、1月に芽接ぎ部分を覆っていたテープを取り去ります。皆様のお手元に届く苗にはビニールテープは付いていません。
台木への芽の活着が深く進み、そのことにより、成長のための次の段階に進む準備が整っていると考えられています。
ただ、芽接ぎ苗の場合、春の時点では、活着部分がまだ若く、台木と芽は点で繋がっているだけですから、衝撃で外れてしまう事があります。春に伸びた柔らかい新芽が折れやすいのと同じです。
配送途中の事故を防ぐため、しっかりと梱包するように心掛けていますが、万が一外れた場合は、それは私どもの本意ではありませんので、どうか遠慮なくご連絡ください。
また、根頭癌腫病でがっかりとした経験をお持ちの方も、この下にご紹介の通りしっかりと対策をした私どもの苗で安心して育てていただきたいと思います。
’スタートダッシュ’の良い芽接ぎ苗。これからも、台木の育成からこだわって生産していきたいと思います。
※台木ご希望の依頼を時々いただきますが、毎年数が足りなく苦労しております。また、販売するとなると、それなりの扱いが必要となるため、そこまで手が回りません。申し訳ございませんが、販売はいたしませんこと、ご理解ください。
月 | 芽接ぎ苗の生産方法 |
12月 | 台木となるノイバラの実。 「このノイバラの種でないといけない!」という、とても成育の良いノイバラを受け継いできています。 確かに、苗の成育が断然いいんです。 実生による台木育成のため、ノイバラの実を採取し保管します。 完熟すると、鳥が食べるのと競争で採取しなければいけません。 |
2月 | ノイバラの実を潰し、果皮、果肉、種子を分離し、種子だけを取り出し、種まきをします。 |
3月 4月 5月 |
発芽したばかりの姿。可愛いでしょう。 そのまま、潅水、消毒を施し、定植できる大きさまで育てます。 嫌になるくらい草引きもします。 |
6月 | 発芽し育ったものを切り揃え、畑に定植します。根頭癌腫病対策のため、予防剤を施しています。 定植する畑は、土壌改良と殺菌のため、バラを植えた後、2-3年は稲作で水田にします。 これでかなりの悪い菌は消滅し、畑としても肥沃となります。 バラ苗の連作は行いません。 |
7月 | 段々、葉が伸びて育ってきました。 ここでも草に栄養をとられないように、株の合間の草引きに明け暮れます。 迷子の犬が入り込んでます。 |
8月 | 畑に定植したノイバラへ潅水、施肥、消毒等、通常のバラと同じ世話を続けます。 相変わらず草引きも。 見る見るうちに育ってきました。 腰の高さほどになっています。 |
9月 10月 11月 |
いよいよ、育った台木への芽接ぎ作業の始まりです。 芽接ぎの作業は、台木を掘り上げず、畑で行います。 まず、株元と付近の土を取り除き、芽接ぎする部分を露出させます。 品種ごとに穂木を採取し、ノイバラの株元の皮をT字に開き、穂木の芽を入れ、ビニールテープで巻きます。 数百種類もある品種を間違えないように接いで行くのも神経を使います。 写真は、穂木(品種の枝)から、芽接ぎ用のナイフで芽を削いでいるところ。 品種の芽の大きさで台木も選んでいきます。 同じ品種内であれば台木が大きい方が良いですが、細立ちの品種は細めの台木に接いでいかないとノイバラに負けてしまって活着しません。 台木は単純に太ければいいってものでもありません。 一人が芽を入れ、一人がテープを巻く・・と二人三脚で作業を行うのが一番効率が良いけれど、それぞれ作業の担当があり、なかなか思うように進みません。 時速5mの世界にどっぷり浸かる時期。腰痛との闘いです。 ようやく、一畝分終わりました。 この時芽接ぎした苗が、成功(活着)しているかどうかは、年明けの鉢上げのときでないと分かりません。 真剣勝負です。 |
12月 | 翌々年のバラ苗用の、ノイバラの実生による台木育成のため、ノイバラの実を採取します。 このページの一番上の作業を翌々年用にスタートします。 |
1月 2月 |
品種ごとに掘り上げ、芽接ぎ部分のテープを取り、根の整理し、台木の芽が出ないようにノイバラの上の部分をカットします。 根を乾かさないように、一気に作業を行います。 1年近くの作業の結果が分かるのがこのときです。 テープを取って、プックリとした芽が出てくると、ホッとします。 活着しているものだけを急いで鉢植えします。 新苗は4号鉢で、栽培します。 10日ほどで、芽吹き始めます。 可愛いでしょう。 しかし、ここで芽吹かず、力尽きる苗も出てきます。 |
3月 | 施肥、消毒等、通常のバラのお世話と同じです。必要に応じて摘芯もします。 このくらいの状態では、まだ芽が柔らかく短いので、支柱は立てられません。 |
4月 | ある程度伸びてきたら、全てに支柱を立てます。 発送開始、2週間前の状態です。 気温の上昇と共に、これからの2週間で生育が加速されます。 これらを一つ一つ丁寧に梱包して、お届けします。 これが生産サイクルです。 いくつもの段階が存在するので気が抜けません。 |
5月 | 翌々年分の台木の元となるノイバラの花が咲きます。 |
冬特上苗・特大苗
冬にお届けする「特上苗・特大苗」は畑で元気に育てたものを発送直前に堀り上げ、水分を吸収させ、根巻きにしてお届けします。「特大苗」は、つる性の枝をそのまま残した長尺苗。
本音を言えば長い枝を切ってしまったほうが何かと扱いやすいです。
例えば、消毒にしても、葉を取る作業も、掘り上げするのも。
でも、もったいない。
長い枝を切れない農家なのです。
私たちにしかできない苗を作ろう!と考えました。
品種の特性で枝の長さは違いますが、精一杯育った苗を出来る限りその大きさでお届けいたします。
「特上苗」は、木立性の株をしっかり大人の苗に育て上げていますので、春から本気の花をたくさん楽しんでいただけることでしょう。
※根頭癌腫病がご心配なお客様へ
私どもで台木から生産している苗につきましては、前述の通り、予防を徹底していますため、基本的な発生率が他園よりもかなり低いと自負しています。
「癌腫病が心配なので当園で生産して欲しいと」の声も多い繁殖ができない仕入苗は、正規の仕入苗を私どもの手で特上苗や特大苗に仕上げて販売を致します。
根頭癌腫病の基本的な予防は新苗(台木)生産時に行うべきものですので、当園に到着後、何かを出来るわけではありませんが、新苗同様、菌を少なくした圃場に植え付け、大苗にします。
また、病気にかかっているか分かりやすい夏を当園の畑で過ごさせていますので、罹患した苗はこの時点でかなり淘汰されるものと考えております。
植物ですので絶対ということはございませんが、かなり確率としては低くなっていると考えられますので、どうぞご利用ください。
万が一発生した場合は、すぐに対処いたしますので、ご連絡ください。
つる性の苗は枝をなるべく切らずに自然樹形で育てます。
風雨で折れないように支柱で支えます。
消毒するのも一苦労です。
12月になったら、掘り起こしの準備で葉を取り、細枝を整理します。
ずっと上を向いているので、肩こりの季節です。
木立性のバラは、剪定をして注文に応じて掘り起しがしやすいように整理します。
配送応じて掘り起こしをしていきます。
完全手作業なので腰痛の季節です。
掘り起しが完了しました。
いったん、根を水につけて給水させ、ピートモスで根巻きしてお届けします。
これらの作業を経てお届けする苗ですので、きっとお庭で活躍してくれることでしょう。
以上の作業の繰り返しを毎年私たちの手で行います。
それぞれ得意分野といいますか、プロフェッショナルな部分を持ち寄って、何とかやっています。
全過程に携わることは作業も大変ですし、責任も重大ですが、
その分芽吹いたときは喜びもひとしおなのです。
春の芽吹きの時期が一年で一番好きです。
芽吹いた瞬間から個性があって、新苗の可愛いこと!